調整内容レポート その12(RS ドラグノフSVD:後編)
Gunsmithバトン基本調整内容レポート、RS ドラグノフSVDの後編をお届けいたします。(前編はこちら、中編はこちら)
こちらは、RSドラグノフのタペットプレートです。後ろの方が一旦上に曲がっていますが、これはもともとの形状で、やはり互換パーツのない専用設計のものとなっています。さて、このタペットプレートについてなのですが・・・
セクターギヤと接触する側、黄色く囲った部分に、ご覧のような窪みが出来ていたのです。タペットプレートのこの部分に、もともとこのような窪みはありませんので、何らかの理由により生じたものであることは間違いありません。
位置的に見て、画像中の赤い矢印で指したピン。セクターギヤの回転とともに、タペットプレートを後退させるための突起によって生じた窪みであると思われます。しかし、作動時にこのような接触の仕方をすることは通常あり得ません。おそらくは組み立ての際に、セクターギヤの突起にタペットプレートが乗り上げた状態で、メカボックスを無理矢理閉めてしまったのではないかと。そのためにセクターギヤが回転出来ず、バッテリーを繋いでも動かない状態になっていたのではないかと、今回のトラブルの原因はそのように推測されます。
先の画像で黄色く囲った窪みの、裏側にあたる部分が若干変形している様子を、上の画像でご覧いただけるでしょうか。この変形が、タペットプレートを後退させるためのピン(赤い矢印で指したもの)とギリギリで干渉しない部分だったのは実に幸いでした。もしピンの接触する部分が変形していたら、給弾ノズルが正常に動作せず、交換用のパーツも欠品していることから、非常にやっかいな事態になるところでしたからね。
ともあれ、窪みの裏側の若干変形していた部分をヤスリで削って整形し、適切に組み付けた状態で動作チェックをしたところ、何の問題もなく作動しました。
動作しないというトラブルも解消出来たところで、スプリングをBATON airsoft 電動ガン用スプリングに交換し、メカボックスを閉じました。この状態でも再度バッテリーを繋いで動作とギヤノイズをチェックし、問題のないことを確認しています。
メカボックスの調整が完了したところで、バレル&チャンバーまわりの調整に着手します。なんと690mmというインナーバレルは、まさにスナイパーライフルといった雰囲気ですが、いかに大容量のシリンダーを備えているとはいえ、日本の法規制に則って調整する以上、こんなに長い必要はありません。
過去のデータにより、RSドラグノフで安定した初速と弾道を実現させるための長さはわかっていますので、いつも通りの旋盤加工で、適切な長さにカットしました。
もちろん、切断面に当たる銃口部分も、旋盤加工により丁寧に面取りし、最終的には手作業で仕上げています。
チャンバー側のいわゆるホップ窓は特に問題の無い仕上がりだったので、バレル内部にウェスを繰り返し通して洗浄した上で、そのまま使用しています。
RSドラグノフのホップアップチャンバーは金属製で、ホップ調整用のダイヤルがチャンバー上に水平に置かれているという珍しい構造となっています。
弊社チューナー陣によれば、このチャンバーは金属製でありながら非常に割れやすく、ホップアップパッキンとインナーバレルを引き抜く際には、最大限の注意と慎重な作業が必須とのことでした。
RSドラグノフの調整では通常、東京マルイ製のホップアップパッキンに変更しているのですが、既にお客様の手により、PDI(X-FIRE)のWホールドチャンバーパッキンが装着されていました。ここはお客様の考えを尊重し、チャンバーパッキンにシリコングリスを塗付した上でインナーバレルに被せ、ホップアップチャンバーに組み込んでいます。
チャンバー&バレルまわりの調整が完了したところで、モーター端子にスイッチ保護のためのSBD(ショットキーバリアダイオード)を取り付けます。この際も、プラスとマイナスを逆に接続することを考慮して取り付け作業を行いました。
SVDを取り付けたモーターホルダーとメカボックスを結合した上でロアレシーバーに組み込み、レシーバー下部のネジで固定します。
ロアレシーバーの下側中央に見えるスリットの入った銀色のパーツは、トリガーロックを解除するためのパーツです。このパーツを組み付けてから、トリガーグループハウジングをロアレシーバーにはめ込みます。
分解の際と逆の手順で、トップカバー固定用レバーとセレクターレバーを組み付けました。ここにトップカバーを被せれば、調整後の組み立てはほぼ完了となります。
残るはハンドガードの取り付けのみなのですが、バッテリーコネクターとコードのクリアランスが大きいのか、コードを振るとカタカタと鳴るような状態で信用出来ないため、取り外して国産品に交換しています。
また、コードの被服が一部敗れていたため、その修正にともなってヒューズのコネクターも交換。小型のヒューズに換装したことで、バッテリーの収納がより容易になりました。
こうしてすべての調整を終えたところで、0.2g弾を使った初速のチェックを行います。弾速計の数値が91m/s(0.828J)前後を示しているのがご覧いただけるでしょうか。インナーバレルが長ければ良いというわけでは無いことがわかる結果ですよね。さて、弊社規定の初速に仕上がっていることが確認出来ましたので、いつものようにトリガートーク様の40mレンジにての弾道チェックを行いました。今回もその様子を撮影しましたので、以下の動画をご覧くださいませ。
銃口から勢い良く飛び出したBB弾が40m先のターゲットに、カン! カン! とヒットしているのがおわかりいただけるかと思います。全弾命中とは行きませんでしたが、これ、アイアンサイトで撃っているわけですからね。セミオートスナイパーライフルとして、サバゲに投入出来るだけの充分な性能に仕上がったと思います。
実銃と見紛うばかりの完成度を誇る、RS製ドラグノフSVD。今や入手困難な希少品となっていますが、既にお持ちの方や、運良く入手出来た方には、RS製品についての豊富なチューニングノウハウでもって、潜在的な性能をを十二分に引き出すことの出来る、弊社の持込調整&チューンを、是非ともお試しくださいませ!
【持ち込み】調整&チューン
※チューニングは、機種・メーカーにより、工賃の加算や施工不可の場合があります。こちらの『チューニングメニュー補足リスト』をご参照いただき、ご了承いただければ幸いです。
こちらは、RSドラグノフのタペットプレートです。後ろの方が一旦上に曲がっていますが、これはもともとの形状で、やはり互換パーツのない専用設計のものとなっています。さて、このタペットプレートについてなのですが・・・
セクターギヤと接触する側、黄色く囲った部分に、ご覧のような窪みが出来ていたのです。タペットプレートのこの部分に、もともとこのような窪みはありませんので、何らかの理由により生じたものであることは間違いありません。
位置的に見て、画像中の赤い矢印で指したピン。セクターギヤの回転とともに、タペットプレートを後退させるための突起によって生じた窪みであると思われます。しかし、作動時にこのような接触の仕方をすることは通常あり得ません。おそらくは組み立ての際に、セクターギヤの突起にタペットプレートが乗り上げた状態で、メカボックスを無理矢理閉めてしまったのではないかと。そのためにセクターギヤが回転出来ず、バッテリーを繋いでも動かない状態になっていたのではないかと、今回のトラブルの原因はそのように推測されます。
先の画像で黄色く囲った窪みの、裏側にあたる部分が若干変形している様子を、上の画像でご覧いただけるでしょうか。この変形が、タペットプレートを後退させるためのピン(赤い矢印で指したもの)とギリギリで干渉しない部分だったのは実に幸いでした。もしピンの接触する部分が変形していたら、給弾ノズルが正常に動作せず、交換用のパーツも欠品していることから、非常にやっかいな事態になるところでしたからね。
ともあれ、窪みの裏側の若干変形していた部分をヤスリで削って整形し、適切に組み付けた状態で動作チェックをしたところ、何の問題もなく作動しました。
動作しないというトラブルも解消出来たところで、スプリングをBATON airsoft 電動ガン用スプリングに交換し、メカボックスを閉じました。この状態でも再度バッテリーを繋いで動作とギヤノイズをチェックし、問題のないことを確認しています。
メカボックスの調整が完了したところで、バレル&チャンバーまわりの調整に着手します。なんと690mmというインナーバレルは、まさにスナイパーライフルといった雰囲気ですが、いかに大容量のシリンダーを備えているとはいえ、日本の法規制に則って調整する以上、こんなに長い必要はありません。
過去のデータにより、RSドラグノフで安定した初速と弾道を実現させるための長さはわかっていますので、いつも通りの旋盤加工で、適切な長さにカットしました。
もちろん、切断面に当たる銃口部分も、旋盤加工により丁寧に面取りし、最終的には手作業で仕上げています。
チャンバー側のいわゆるホップ窓は特に問題の無い仕上がりだったので、バレル内部にウェスを繰り返し通して洗浄した上で、そのまま使用しています。
RSドラグノフのホップアップチャンバーは金属製で、ホップ調整用のダイヤルがチャンバー上に水平に置かれているという珍しい構造となっています。
弊社チューナー陣によれば、このチャンバーは金属製でありながら非常に割れやすく、ホップアップパッキンとインナーバレルを引き抜く際には、最大限の注意と慎重な作業が必須とのことでした。
RSドラグノフの調整では通常、東京マルイ製のホップアップパッキンに変更しているのですが、既にお客様の手により、PDI(X-FIRE)のWホールドチャンバーパッキンが装着されていました。ここはお客様の考えを尊重し、チャンバーパッキンにシリコングリスを塗付した上でインナーバレルに被せ、ホップアップチャンバーに組み込んでいます。
チャンバー&バレルまわりの調整が完了したところで、モーター端子にスイッチ保護のためのSBD(ショットキーバリアダイオード)を取り付けます。この際も、プラスとマイナスを逆に接続することを考慮して取り付け作業を行いました。
SVDを取り付けたモーターホルダーとメカボックスを結合した上でロアレシーバーに組み込み、レシーバー下部のネジで固定します。
ロアレシーバーの下側中央に見えるスリットの入った銀色のパーツは、トリガーロックを解除するためのパーツです。このパーツを組み付けてから、トリガーグループハウジングをロアレシーバーにはめ込みます。
分解の際と逆の手順で、トップカバー固定用レバーとセレクターレバーを組み付けました。ここにトップカバーを被せれば、調整後の組み立てはほぼ完了となります。
残るはハンドガードの取り付けのみなのですが、バッテリーコネクターとコードのクリアランスが大きいのか、コードを振るとカタカタと鳴るような状態で信用出来ないため、取り外して国産品に交換しています。
また、コードの被服が一部敗れていたため、その修正にともなってヒューズのコネクターも交換。小型のヒューズに換装したことで、バッテリーの収納がより容易になりました。
こうしてすべての調整を終えたところで、0.2g弾を使った初速のチェックを行います。弾速計の数値が91m/s(0.828J)前後を示しているのがご覧いただけるでしょうか。インナーバレルが長ければ良いというわけでは無いことがわかる結果ですよね。さて、弊社規定の初速に仕上がっていることが確認出来ましたので、いつものようにトリガートーク様の40mレンジにての弾道チェックを行いました。今回もその様子を撮影しましたので、以下の動画をご覧くださいませ。
銃口から勢い良く飛び出したBB弾が40m先のターゲットに、カン! カン! とヒットしているのがおわかりいただけるかと思います。全弾命中とは行きませんでしたが、これ、アイアンサイトで撃っているわけですからね。セミオートスナイパーライフルとして、サバゲに投入出来るだけの充分な性能に仕上がったと思います。
実銃と見紛うばかりの完成度を誇る、RS製ドラグノフSVD。今や入手困難な希少品となっていますが、既にお持ちの方や、運良く入手出来た方には、RS製品についての豊富なチューニングノウハウでもって、潜在的な性能をを十二分に引き出すことの出来る、弊社の持込調整&チューンを、是非ともお試しくださいませ!
【持ち込み】調整&チューン
※チューニングは、機種・メーカーにより、工賃の加算や施工不可の場合があります。こちらの『チューニングメニュー補足リスト』をご参照いただき、ご了承いただければ幸いです。