調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

Gnnsmithバトン基本調整内容レポート、MODIFY-TECH MOD24 流速SPの中編をお届けいたします。(前編はこちら



調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

外装パーツの調整が完了したところで、次はシリンダーまわりのチューニングに取り掛かります。MODIFY-TECH製のMOD24は、シリンダーヘッドを取り外すことで、ピストン、スプリング、スプリングガイドが引き出せます。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

ピストンはマルゼン製APS-2にならった設計。本体は軽量なアルミで、シアーのかかる部分は頑丈なスチールで、それぞれ作られている優れたピストンですが、流速SPとして使用するには重量が足りないため、専用のウェイトを製作します。





調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

真鍮の丸棒を旋盤で削り、ピストンの内径にぴったり収まる太さに調整した後、あらかじめ導き出している最適な長さに切断します。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

こちらが完成したピストンウェイトです。先端に段が付けられているのは、スプリングの先端がズレないようにするための工夫です。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

こうして製作したピストンウェイトを、MOD24のピストンの中に収めます。真鍮は比重が大きいので、このサイズでもけっこうな重さになりますね。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

ピストン内部にウェイトが入ったことにより、コッキングした際にリコイルスプリングガイドが干渉してしまうので、ご覧のようにウェイトの長さ分をカットし、切断面を滑らかに仕上げています。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

こちらは、先に取り外したシリンダーヘッドです。金属加工を得意とするMODIFY-TECH製品だけあって、非常に精度の高いパーツなのですが、日本の初速規制下で使用するには、ノズルの長さが若干足りていないのですね。

エアソフトガンのノズルの長さはmm以下の違いで精度や初速、給弾トラブルに大きく影響するので、当店ではこれまでの数万丁に及ぶエアガン調整の経験から、ノウハウを蓄積し、必要に応じて加工・修正しています。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

そこで、シリンダーヘッドを旋盤にセットし、ピストンが当たる面の方から6mmのドリルで慎重に彫り進め・・・




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

ご覧のように、一体になっていたノズルをきれいに切り離しました。この状態で、適切な長さのノズルを新たに作ります




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

外径6mmの真鍮パイプから旋盤加工で製作した新たなノズルを、上のシリンダーヘッドに圧入、接着しました。この状態で旋盤にかませ、回転させた際に軸がブレていないことも確認しています。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

加工前の画像と見比べると、ノズルがわずかに延長されたのがおわかりいただけると思います。この加工によって、ホップチャンバー内でのBB弾の保持位置が適正になり、安定した弾道と命中精度が実現するわけですね。ちなみに、ノーマルのMOD24に対しても、この加工は等しく行っております。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

必要な加工がすべて終了したところで、シリンダーまわりの組み立てです。まずはピストンカップに専用のグリスを塗布します。




調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

次に、スプリングガイドとスプリングにシリコングリスを薄く塗布します。スプリングはもともと入っていたものから、BATON airsoft VSR/APS系 流速スプリングに交換しています。





調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:中編)

以上の作業を経てすべてのパーツを組み立てたところで、シリンダーまわりの調整は完了です。このシリンダーをレシーバーに組み付けてコッキングし、ノズル先端を指で押さえてトリガーを引いたところ、ピストンが少し前進したところでピタリとストップ。気密がしっかりとれていることが確認出来ました。


と、シリンダーまわりの調整が完了したところで、中編はここまでです。旋盤を駆使したピストンウェイトの新造に、シリンダーヘッドのノズルの作り直しと、かなりの手間がかかっていることがおわかりいただけたでしょうか。中華エアガンとはいえ、エアーコッキングガンなら調整が楽なわけではないという、格好の例でしたね。

さて、次回後編では、バレル~チャンバーまわりの加工、調整の内容を詳しくお届けいたしますね。




後編に続く





同じカテゴリー(調整&チューン)の記事画像
BS-HOST カスタム
【究極のAPSライフル】 APSCHUTZ 流速☆極
[ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について
M45A1 CO2BB のメンテナンス / ブローバックが弱くなったら
M45A1 CO2GBB 実戦テスト トラブル・ホルスター等について
【 MP5 CO2GBB 】 「初速低下&動作不安定」 の修理法と予防法 【 トラブルシューティング 】
同じカテゴリー(調整&チューン)の記事
 BS-HOST カスタム " B-Widow " 10mで40mm台の精度実現! (2020-06-30 06:06)
 【究極のAPSライフル】 APSCHUTZ 流速☆極 (2020-02-24 06:17)
 [ Gunsmith BATON ] 持ち込み調整&チューンの内容について (2019-07-29 06:06)
 M45A1 CO2BB のメンテナンス / ブローバックが弱くなったら (2019-03-15 06:26)
 M45A1 CO2GBB 実戦テスト トラブル・ホルスター等について (2019-02-04 06:06)
 【 MP5 CO2GBB 】 「初速低下&動作不安定」 の修理法と予防法 【 トラブルシューティング 】 (2018-08-01 05:29)
プロフィール
(株)バトンTrading
(株)バトンTrading
エアソフトガン&パーツブランド BATON airsoft 、海外製エアソフトガンショップ Gunsmith BATON 、日本最大のシューティングレンジ BATON Range 、APSカップ競技銃チューニングショップ 蔵前工房舎 、オフロードバイクショップ『 Bivouac所沢 』 、電動オフロードバイク『 CAOFEN
』 の各種情報をお届けします!
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 248人


PAGE TOP