調整内容レポート その7(MODIFY-TECH MOD24 流速SP:前編)
今回のGnnsmithバトン基本調整内容レポートは、MODIFY-TECH MOD24 流速SPについての内容をお届けいたします。
我が国の自衛隊において、対人狙撃銃として採用されていることからも人気の高いM24をモデルとして、台湾のカスタムメーカーMODIFY-TECHが製品化したエアーコッキングガン、MOD24。このスナイパーライフルに流速チューンを施したコンプリートカスタムである、MOD24 流速SPがどのように作られているのか、その行程をじっくりご覧くださいませ。
MODIFY-TECH製のMOD24は、バレルを含むレシーバー部分とストックが分離した状態でパッケージングされています。上の画像は、箱から出して作業台に並べただけの状態です。
上のレシーバー部分とストックを組み合わせるのですが、この両者のフィッティングがとれておらず、画像のようにレシーバーの後端部分が浮き上がり、アウターバレルの中央付近は大きく隙間が開いてしまっています。フローティング構造ではありますが、この状態ではいくらなんでも浮きすぎですから本体をチューニングしたところで、高い命中精度など望むべくもありませんので、まずはレシーバーがピッタリ収まるよう、ストックの内側を現物合わせで根気よく削りこみました。
また、上はレシーバーとストックを固定するためのボルトなのですが、このボルトが若干長すぎるため、そのまま閉めこむとシリンダーを下から押し上げてしまうのです。これを防止するため、ボルトの末端をベルトサンダーでわずかに削っています。
上記の下準備を終えたところで、いよいよレシーバー本体のチューニングに着手します。まずはマガジンハウジングとトリガーブロックを外し、ボルトを引き抜きます。
然る後、レシーバーとアウターバレルを分解し、インナーバレルとチャンバーを引き抜きました。
画像は、上で分解したアウターバレルとレシーバーを組み付けた状態です。レシーバーにアウターバレルをねじ込んだ時、両者が画像中の黄色い線で示したこの位置関係で固定されるべきなのですが・・・
今回取り上げたMODIFY-TECH製のMOD24は、アウターバレルをさらに45度ばかりねじ込まないと、しっかり固定されないのです。つまり、上段画像の状態では、アウターバレルがグラついてしまうため、とてもまともな命中精度など期待出来ません。
レシーバー内部にはご覧のようなリング状のスペーサーが入っているのですが、この部分の厚みが足りないことが、アウターバレルの固定位置のズレを引き起こしているのですね。
上記の問題を解消するため、スペーサーの片面に極薄のプラスチック板を接着し、0.1mmほど厚みを足してやりました。
スペーサーの厚みが増したことにより、アウターバレルをレシーバーにしっかりねじ込んだ状態で、上画像のようにぴったり位置が決まるようになりました。スナイパーライフルですから、こうでなくてはいけませんよね。
アウターバレルに開いた角丸の四角い穴は、その内部にチャンバーが位置し、マガジンの給弾リップが差し込まれるのですが、ボルトの操作を誤る等の原因で、給弾リップからこぼれたBB弾がこの中に留まり、ボルトの閉鎖を妨げる場合があります。その後方(画像では右上)にある丸穴が、そういった場合のBB弾を排出する役目を果たすはずなのですが、穴の上に取り付けられるマガジンハウジングがフタをしてしまうため、BB弾を排出することが出来なくなってしまいます。
この問題を解消し、BB弾の排出を可能とするため、マガジンハウジングのアウターバレルの丸穴にかかる位置に、8mmのドリルで穴を開けてやります。
穴あけ加工を終えた後、ストックと若干ながら干渉するマガジンハウジングの後端、レシーバーとネジ止めする台座の後面を、エンドミルでわずかに削りました。
さらに、マガジンハウジングの四隅のエッジをヤスリで面取りしています。こうすることで、ストックへの組付けがスムーズになるわけですね。
上記の加工を終えたマガジンハウジングをレシーバーに組み付けた状態がこちらです。上述したアウターバレルのBB弾排出孔に、マガジンハウジングに開けた穴がぴったり重なっていますよね。ここまでの作業を経て、ようやくアウターバレルを含むレシーバーまわりの基本調整が完了しました。
外装パーツの加工、調整だけで1回分の記事となってしまいましたが、こうした外装パーツの問題点を丁寧に解消することも、「ちゃんと動いて、ちゃんと飛ぶ」製品を御客様にお届けするための、弊社のチューニング内容のひとつなのです。今回はコンプリートカスタム、MOD24 流速SPのレポートですが、ノーマルのMOD24に対しても、こうした外装調整を1丁1丁施工しております。
といったところで、前編はこれにて終了です。今回は加工する部分が多く、また、流速カスタムということもあるので、前、中、後編の3回に分けさせていただきます。わかりやすい記事作りを心がけますので、どうか最後までお付き合いのほどをお願いいたします。
我が国の自衛隊において、対人狙撃銃として採用されていることからも人気の高いM24をモデルとして、台湾のカスタムメーカーMODIFY-TECHが製品化したエアーコッキングガン、MOD24。このスナイパーライフルに流速チューンを施したコンプリートカスタムである、MOD24 流速SPがどのように作られているのか、その行程をじっくりご覧くださいませ。
MODIFY-TECH製のMOD24は、バレルを含むレシーバー部分とストックが分離した状態でパッケージングされています。上の画像は、箱から出して作業台に並べただけの状態です。
上のレシーバー部分とストックを組み合わせるのですが、この両者のフィッティングがとれておらず、画像のようにレシーバーの後端部分が浮き上がり、アウターバレルの中央付近は大きく隙間が開いてしまっています。フローティング構造ではありますが、この状態ではいくらなんでも浮きすぎですから本体をチューニングしたところで、高い命中精度など望むべくもありませんので、まずはレシーバーがピッタリ収まるよう、ストックの内側を現物合わせで根気よく削りこみました。
また、上はレシーバーとストックを固定するためのボルトなのですが、このボルトが若干長すぎるため、そのまま閉めこむとシリンダーを下から押し上げてしまうのです。これを防止するため、ボルトの末端をベルトサンダーでわずかに削っています。
上記の下準備を終えたところで、いよいよレシーバー本体のチューニングに着手します。まずはマガジンハウジングとトリガーブロックを外し、ボルトを引き抜きます。
然る後、レシーバーとアウターバレルを分解し、インナーバレルとチャンバーを引き抜きました。
画像は、上で分解したアウターバレルとレシーバーを組み付けた状態です。レシーバーにアウターバレルをねじ込んだ時、両者が画像中の黄色い線で示したこの位置関係で固定されるべきなのですが・・・
今回取り上げたMODIFY-TECH製のMOD24は、アウターバレルをさらに45度ばかりねじ込まないと、しっかり固定されないのです。つまり、上段画像の状態では、アウターバレルがグラついてしまうため、とてもまともな命中精度など期待出来ません。
レシーバー内部にはご覧のようなリング状のスペーサーが入っているのですが、この部分の厚みが足りないことが、アウターバレルの固定位置のズレを引き起こしているのですね。
上記の問題を解消するため、スペーサーの片面に極薄のプラスチック板を接着し、0.1mmほど厚みを足してやりました。
スペーサーの厚みが増したことにより、アウターバレルをレシーバーにしっかりねじ込んだ状態で、上画像のようにぴったり位置が決まるようになりました。スナイパーライフルですから、こうでなくてはいけませんよね。
アウターバレルに開いた角丸の四角い穴は、その内部にチャンバーが位置し、マガジンの給弾リップが差し込まれるのですが、ボルトの操作を誤る等の原因で、給弾リップからこぼれたBB弾がこの中に留まり、ボルトの閉鎖を妨げる場合があります。その後方(画像では右上)にある丸穴が、そういった場合のBB弾を排出する役目を果たすはずなのですが、穴の上に取り付けられるマガジンハウジングがフタをしてしまうため、BB弾を排出することが出来なくなってしまいます。
この問題を解消し、BB弾の排出を可能とするため、マガジンハウジングのアウターバレルの丸穴にかかる位置に、8mmのドリルで穴を開けてやります。
穴あけ加工を終えた後、ストックと若干ながら干渉するマガジンハウジングの後端、レシーバーとネジ止めする台座の後面を、エンドミルでわずかに削りました。
さらに、マガジンハウジングの四隅のエッジをヤスリで面取りしています。こうすることで、ストックへの組付けがスムーズになるわけですね。
上記の加工を終えたマガジンハウジングをレシーバーに組み付けた状態がこちらです。上述したアウターバレルのBB弾排出孔に、マガジンハウジングに開けた穴がぴったり重なっていますよね。ここまでの作業を経て、ようやくアウターバレルを含むレシーバーまわりの基本調整が完了しました。
外装パーツの加工、調整だけで1回分の記事となってしまいましたが、こうした外装パーツの問題点を丁寧に解消することも、「ちゃんと動いて、ちゃんと飛ぶ」製品を御客様にお届けするための、弊社のチューニング内容のひとつなのです。今回はコンプリートカスタム、MOD24 流速SPのレポートですが、ノーマルのMOD24に対しても、こうした外装調整を1丁1丁施工しております。
といったところで、前編はこれにて終了です。今回は加工する部分が多く、また、流速カスタムということもあるので、前、中、後編の3回に分けさせていただきます。わかりやすい記事作りを心がけますので、どうか最後までお付き合いのほどをお願いいたします。
中編に続く