初速についての考察
うんちくシリーズは「俺様理論」というカテゴリを設けましたw
自分の中華エアガン製作での経験則と実験データから導き出した勝手理論なので、これが絶対に正しい、ということもないと思います。もし間違っていることや別の考え方があるなら、教えていただければ幸いです。
まず、フルサイズシリンダーの場合です。
結論を先に書くと
初速は、スプリングレートはもちろんだが、バレル長とシリンダー容量で変化し、バレルが長ければ長いほど初速が上がるわけではない
CA ドラグノフ(PSG-1と同じロングサイズシリンダー、630mmがノーマルバレル)を用いたバレル長と初速の変化データ。バレル長以外、スプリングなどの条件は同一です
630mm 71m/sec
470mm 86m/sec
248mm 70m/sec
230mm 65m/sec
130mm 49m/sec
※この結果はロングサイズシリンダーのものですので、ノーマルサイズシリンダーでは、自ずと数値は異なってきます
となりました。ノーマルの630mmでは、すでにバレルの長さがシリンダー容量に対して長すぎて、発射のエア量が足りず、負圧状態となり初速が低下しています。
630mmのノーマルバレルでも、スプリングレートを上げれば90m/secの初速を出すことは出来ますが、もちろん効率的ではありません。強いスプリングは当然、各部に負担をかけますから、機械的に良いことはありませんし、あまりスプリングが強すぎると、弱いバッテリーではモーターを回しきれず、ロックして止まってしまいます。
なので、例えば当店のRPKでは、ノーマルバレル(640mm)で初速を出すためには強力なスプリングが必要で、サイクルも遅くなるし、ニッスイでは引き切れずロックして止まってしまいがちなので、インナーバレルを最適値にカットして、より弱いスプリングで効率的に初速を上げられるようにしています
次に、シリンダー途中に穴が開いている加速シリンダーの場合です。下記データは上記のCAドラグノフに加速シリンダーを入れたもので、同一日に測定し、スプリング他の条件は同一です。
630mm 52m/sec
470mm 64m/sec
248mm 69m/sec
230mm 73m/sec
130mm 65m/sec
初速が最大値になるバレル長がフルサイズシリンダーと加速シリンダーで違うのはもちろんですが、ここで注目してもらいたいのは、初速の上下幅です。フルサイズシリンダーと違い、バレル長による初速の差があまり出ていません。
また、加速シリンダーの穴をずらす(フライス盤で穴を伸ばしていく)実験では(Gunsmithカッタケが行ったので、手元にデータを持っていませんが)
シリンダー容量により多少、変化はするが、本当に初速が落ちるのは、有効シリンダー長がわずか20mmほどになるところまで穴を広げたとき
という結果が出ています(これは自分もあとで検証実験をしました)
この二つの実験から推察されるのは
加速シリンダーは、バレル長やシリンダー容量の要素より、加速ポートが終わる位置のピストンスピードのほうが初速への影響が大きい
ということです。
加速シリンダーでの初速についての考察をまとめると
ピストンの動きとともにバレル内でBB弾が加速していくフルサイズシリンダーに対し、加速シリンダーはポートが終わる位置にピストンが来たときに、一気にエアがチャンバーに流れ込み、そのときの流速が初速決定に対する寄与度が大きい
というのが結論です。
そして命中精度についてです。上記のように
加速シリンダーはバレルやシリンダー容量に初速が影響されにくいということは、
フルサイズシリンダー+ロングバレルより、加速シリンダー+適切な長さのバレルのほうが外的要素による初速の変化が少ない=安定した初速=優れた命中精度を期待出来る
長いバレルだからといって命中精度が上がるわけではありません。
事実、いままでイジってきた中華エアガンのなかで、もっとも命中精度が期待出来るのはKAC PDWです。これはJMでもDboysでも一緒で、バレルとシリンダーの神バランス、銃の構造が命中精度の高さを実現しているのだと推測されます。
命中精度を上げるにはKAC PDWの長さがあれば十分なんです。
もちろんこれはすべて1ジュール規制下の話であって、それ以上の初速の世界では、バレルとシリンダー容量の関係が変わってくる可能性もあると思います。
うーん、長くなってしまいましたねw 最後まで読んでいただいてありがとうございました。
自分の中華エアガン製作での経験則と実験データから導き出した勝手理論なので、これが絶対に正しい、ということもないと思います。もし間違っていることや別の考え方があるなら、教えていただければ幸いです。
初速についての考察
まず、フルサイズシリンダーの場合です。
結論を先に書くと
初速は、スプリングレートはもちろんだが、バレル長とシリンダー容量で変化し、バレルが長ければ長いほど初速が上がるわけではない
CA ドラグノフ(PSG-1と同じロングサイズシリンダー、630mmがノーマルバレル)を用いたバレル長と初速の変化データ。バレル長以外、スプリングなどの条件は同一です
630mm 71m/sec
470mm 86m/sec
248mm 70m/sec
230mm 65m/sec
130mm 49m/sec
※この結果はロングサイズシリンダーのものですので、ノーマルサイズシリンダーでは、自ずと数値は異なってきます
となりました。ノーマルの630mmでは、すでにバレルの長さがシリンダー容量に対して長すぎて、発射のエア量が足りず、負圧状態となり初速が低下しています。
630mmのノーマルバレルでも、スプリングレートを上げれば90m/secの初速を出すことは出来ますが、もちろん効率的ではありません。強いスプリングは当然、各部に負担をかけますから、機械的に良いことはありませんし、あまりスプリングが強すぎると、弱いバッテリーではモーターを回しきれず、ロックして止まってしまいます。
なので、例えば当店のRPK
次に、シリンダー途中に穴が開いている加速シリンダーの場合です。下記データは上記のCAドラグノフに加速シリンダーを入れたもので、同一日に測定し、スプリング他の条件は同一です。
630mm 52m/sec
470mm 64m/sec
248mm 69m/sec
230mm 73m/sec
130mm 65m/sec
初速が最大値になるバレル長がフルサイズシリンダーと加速シリンダーで違うのはもちろんですが、ここで注目してもらいたいのは、初速の上下幅です。フルサイズシリンダーと違い、バレル長による初速の差があまり出ていません。
また、加速シリンダーの穴をずらす(フライス盤で穴を伸ばしていく)実験では(Gunsmithカッタケ
シリンダー容量により多少、変化はするが、本当に初速が落ちるのは、有効シリンダー長がわずか20mmほどになるところまで穴を広げたとき
という結果が出ています(これは自分もあとで検証実験をしました)
この二つの実験から推察されるのは
加速シリンダーは、バレル長やシリンダー容量の要素より、加速ポートが終わる位置のピストンスピードのほうが初速への影響が大きい
ということです。
加速シリンダーでの初速についての考察をまとめると
ピストンの動きとともにバレル内でBB弾が加速していくフルサイズシリンダーに対し、加速シリンダーはポートが終わる位置にピストンが来たときに、一気にエアがチャンバーに流れ込み、そのときの流速が初速決定に対する寄与度が大きい
というのが結論です。
そして命中精度についてです。上記のように
加速シリンダーはバレルやシリンダー容量に初速が影響されにくいということは、
フルサイズシリンダー+ロングバレルより、加速シリンダー+適切な長さのバレルのほうが外的要素による初速の変化が少ない=安定した初速=優れた命中精度を期待出来る
長いバレルだからといって命中精度が上がるわけではありません。
事実、いままでイジってきた中華エアガンのなかで、もっとも命中精度が期待出来るのはKAC PDW
命中精度を上げるにはKAC PDW
もちろんこれはすべて1ジュール規制下の話であって、それ以上の初速の世界では、バレルとシリンダー容量の関係が変わってくる可能性もあると思います。
うーん、長くなってしまいましたねw 最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事へのコメント
どうにか最長の630mmのバレルを活かしてみたいがのぉ
1J未満の制限があるといらない子になってしまうww
PSG-1哀れw
まあ、630mmだとダメだってわけでもないんですが、効率を追求していくと、そこまでの長さは必要ないんです。
「男のロマン」ってことで、長いバレルの不自由さをあえて教授して楽しみましょうw
なんぼやったらいいですかねぇ?
最も効率の良いインナーバレル長は、シリンダー容量、インナーバレル内径、ホップパッキン、使用BB弾、ノズル長、ノズル内径、ピストン重量、スプリングレートなど、様々な要素が絡んでくるので一概には言えませんが、マルイノーマルだと、加速シリンダーのM4がインナーバレル363mm、フルシリンダーのM16がインナーバレル509mmですね。