Gunsmithバトン基本調整内容レポート、AGM ステンMK2 【持ち込み】爆音☆流速チューンの中編をお届けいたします。（前編はこちら）


こちらはモーターホルダー前面に突き出したピニオンギヤです。この部分も洗浄しているので、分解当初の状態に比べると随分きれいになっていますよね。





こちらはモーターホルダーの後端部分なのですが、ご覧の通り一般的な電動ガンと違い、イモネジ等によるモーター位置の調整が出来ない作りになっているのです。このため、モーターホルダーをメカボックスに固定した状態で、ピニオンギヤとベベルギヤの位置関係を完全に調整しておく必要があるわけです。






そんなわけで、まずはベベルギヤにグリスを塗ってメカボックスを閉じ、モーターホルダーを取り付けた状態で、ピニオンギヤとベベルギヤのクリアランスを調整して行きます。





ピニオンギヤの位置を動かせないため、ベベルギヤの下に入れるシムの厚みと枚数を慎重に選択。適切と思われるシムを入れたところでバッテリーを繋ぎ、モーターを回してギヤノイズをチェックし、音が目立つようなら、再度分解してシムを入れ替えるという作業を繰り返します。今回はさほどの苦労も無く、この部分のシム調整が決まりました。





ベベルギヤの位置が決まってしまえば、スパーギヤとセクターギヤのシム調整がスムーズに進むのはいつもの通りです。シム調整と同時に、ギヤへのグリスアップも行いました。





こちらはAGM製ステンに入っていたシリンダーとシリンダーヘッドです。シリンダーは黒いメッキが施された、いわゆるフルシリンダーですね。





今回はインナーバレルの長さや、流速化に伴う負荷を考慮し、ノーマルのフルシリンダーは使わずに、SHS製加速シリンダーを使用します。





こちらはシリンダーから外したシリンダーヘッドです。中央に突き出した真鍮製のエアーノズルが、一般的なシリンダーヘッドのそれに比べると若干細く作られていました。上述した加速シリンダーへの交換は、この点も考慮した上での選択です。流速チューンだからといって、必ずフルシリンダーを使うというわけではなく、個体ごとに最も効率が上がるようなセッティングを施しているわけですね。






また、エアーノズルの位置が、シリンダーヘッドの中心から若干上方向（組み立てた際には下になります）にずれているのがおわかりいただけると思います。これは、メカボックスの位置に対してインナーバレルがやや下に位置するため、ノズルをずらしているのですね。過去にレポートしましたRealSword製ドラグノフSVDも同様の工夫がなされていました。






こちらは樹脂製の給弾ノズルです。先端の放出孔内部には、BB弾の吸い付きを防止するための突起が設けられていますね。





上の給弾ノズルを取り付ける前に、シリンダーヘッドのエアーノズルにシリコングリスを薄く塗付します。






交換した加速シリンダーとのクリアランスが若干大きかったので、シリンダーヘッドにシールテープを巻きつけてからシリンダーに圧入。しかる後、余分なシールテープを切除しました。






タペットプレートは一般的なVer.7用に準じたものが採用されていました。材質、形状ともに問題はなさそうなので、今回はこのまま使用します。





ピストンも特に問題の無いクオリティのものでしたが、今回は負荷の高い爆音☆流速チューンを施すので、樹脂ピストンは使わず、Ver.7にも使用出来るSHS製のハーフメタルティースピストンを用意しました。





こちらはメカボックス内部、スパーギヤを写した画像ですが、スパーギヤの上部がピストンの収まるスペースに若干はみ出しているのがおわかりいただけると思います。上述のハーフメタルティースピストンを組み付けると、このはみ出したギヤの先端がピストン後部に引っかかってしまうため、そのまま使うことが出来ません。






とはいえ、スパーギヤの位置を変えるわけには行きませんので、ピストン側の干渉部分を、フライス盤で削り取ることにしました。一旦メタルティースの部分を外して、慎重に削って行きます。





フライス盤での加工を終えた状態がこちらです。画像中、黄色い矢印で示した部分を削り落としたのがおわかりいただけるでしょうか。





こちらの画像の方が、削っていない左側との違いがわかりやすいと思います。当然ながら、真っ直ぐ、フラットに仕上がっていますね。





上述の加工によってご覧の通り、スパーギヤとの干渉は解消され、ピストンがスムーズに動作するようになりました。それぞれの固体に合わせて、こういったイレギュラーな加工が発生することは珍しくありませんが、このことで施工料金を余分に請求するようなことは一切ありませんのでご安心ください。


といったところで、中編はここまでです。次回後編では、メカボックスの組み立てと、バレル、チャンバーまわりの調整から完成までを一気にご紹介いたします。

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