調整内容レポート その11(PTS MAGPUL MASADA AKM:後編)

Gunsmithバトン基本調整内容レポート、PTS MAGPUL MASADA AKMの後編をお届けいたします。前編はこちら中編はこちら



調整内容レポート その11(PTS MAGPUL MASADA AKM:後編)

こちらは、MASADA AKMに入っていたポリカーボネイト製のピストンです。作りは悪くないのですが、担当チューナーの経験上、割れやすいことがわかっているので、このピストンは使いません。




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上の透明ピストンの代わりに、BATON airsoft フルメタルティースピストンを使用します。




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ピストンを交換する際は、まずメカボックス内の、赤く囲った部分のレールにピストンを組み付けて、スムーズに動くかどうかを確認する必要があります。メーカーによっては、このレール部分の作りが微妙に異なっていますからね。




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PTS MASADAの場合は、ピストンのレール部分の外側のエッジを軽く落としてやることで、スムーズに動くようになりました。ピストンを交換したら初速が下がった等といったトラブルは、この確認を怠ったことが原因であるケースが多いようです。




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ピストンヘッドは、吸排気穴の開いた樹脂製のものを取り付けました。これでピストンの準備は完了です。




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こちらは、シリンダーヘッドの裏側。ピストンヘッドが当たる部分に貼られたクッションラバーなのですが、空気が押し出される中央の穴が狭いように思えます。




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そこで、こちらの画像のように、クッションラバーの穴を削って拡大してやりました。こうした方が、空気の抜けが良くなりそうですものね。




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中編でご覧いただいたフルシリンダーを、上画像の加速シリンダーに交換します。インナーバレルが11.5インチサイズというMASADA AKMのノーマルチューンであれば、加速シリンダーを使ったほうが高効率なのです。




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シリンダーの交換にともない、エア漏れの心配が生じたため、シリンダーヘッドにシールテープを巻き付けて、気密をとりました。




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シリンダーヘッドを組み付け、余分なシールテープを切除した後、エアーノズルにシリコングリスを塗布して、給弾ノズルを挿し込みます。



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シリンダーの内壁にもシリコングリスを塗りこみ、同様にグリスアップしたピストンを挿し込んで、気密漏れをチェック。まったく問題はありませんでした。



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上の画像で既に組み付けていますが、タペットプレートはいわゆるVer.2のM4用と同形状のものが採用されていました。目立つバリも無く、きれいに成型されており、今回はこのまま使用しています。




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必要な調整を終えたシリンダー周りのパーツを組み付け、メカボックスを閉じました。モーターに伸びるコードもハンダ付けしています。




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スプリングはBATON airsoft 電動ガン用スプリングに交換。MASADA AKMは、メカボックスをロアレシーバーに組み込んだ後でも、ストックを外すだけでスプリング交換が可能となっています。




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撮影のタイミングが遅れてしまいましたが、モーターの端子にはスイッチ保護のためのSBD(ショットキーバリアダイオード)を取り付けました。ここまでの作業で、メカボックスを含むロアレシーバー側の調整は完了です。




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ここからバレルまわりの調整なのですが、MAGPUL PTS製のMASADAの持ち込み調整&チューンをお受けする際は、使用するBB弾の重さを指定していただく必要があるのです。
一般的な電動ガンの調整を行う際は、BATON airsoft ソフト面ホップアップパッキンセットを使っており、BB弾の重さが問題になることはありません。しかしPTS MASADAは、チャンバーまわりが特殊な構造になっているため、東京マルイ製のホップアップパッキンを使わざるをえず、また、ホップアップの調整幅が小さいため、BB弾の重さ(0.2g、または0.25g)に合わせた調整が必要となっているのです。今回はお客様のご要望により、0.2g弾に合わせた調整を施します。




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こちらが、MASADA AKMのチャンバーとホップアップパッキンです。チャンバーはご覧の通り、ホップ調整のための切り欠きが設けられただけの、極めてシンプルな作りです。ホップ調整のための部品は、すべてアッパーレシーバー側に取り付けられており、この構造が原因で、ソフト面ホップアップパッキンが使えないのですね。




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インナーバレルの作りに問題はないので、そのまま使用。内部にウェスを通して洗浄した後、チャンバー側の末端部分にシールテープを巻き付けています。




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上の状態にシリコングリスを薄く塗り、東京マルイ製のホップアップパッキンを被せた上から、さらにシリコングリスを塗りました。




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上記の作業を終えたインナーバレルにチャンバーを被せ、アウターバレル先端から挿し込みました。この時点で、MASADA AKMの調整はすべて完了。後はアウターバレルをアッパーレシーバーに組み付け、ストックとロアレシーバーを組み立てるだけですね。




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銃本体を組み立てたところで、0.2g弾を使った初速のチェックです。マズル付近にピントが合ってしまいましたが、弾速計の数値が90m/s(0.81J)前後を示しているのがおわかりいただけるでしょうか。弊社規定の数値に仕上がっていることが確認出来たところで、いつものようにトリガートーク様の40mレンジにての弾道チェックを行いました。今回もその様子を撮影しましたので、以下の動画をどうぞご覧ください。


  

今回も弾道が見辛くて申し訳ないのですが、セミ、フルオート共にBB弾の白い軌道が、40m先のターゲットに向かって真っ直ぐ伸びているのがおわかりいただけるかと思います。使用するBB弾の重さを限定して調整を出すことで、この性能が実現出来るわけですね。




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実銃を忠実に再現したスタイリッシュなフォルムと、使い勝手に優れたインターフェイスで人気の高いMASADAシリーズ。未調整状態での最大の弱点である、飛距離と命中精度の問題点を、今回ご紹介したようにバッチリ解決いたします。愛用のMASADAの潜在能力を最大限に引き出すために、弊社の持ち込み調整&チューンのご利用を、是非ご検討くださいませ。




【持ち込み】調整&チューン
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※チューニングは、機種・メーカーにより、工賃の加算や施工不可の場合があります。こちらの『チューニングメニュー補足リスト』をご参照いただき、ご了承いただければ幸いです。







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