BATON流速チューン理論

BATON airsoft 流速チューンパーツ群を使用するにあたって、そもそも「流速チューンとはなんなのか?」ということを解説していきます。


まず、以前に行った流速チューンとノーマルチューンの比較のテスト、その1からその4を読んでいただければ幸いです。


流速チューン比較テスト その2「集弾性」


流速チューン比較テスト その4「弾道」


しかし、この「流速チューン比較テスト」のときは、まだ流速チューンがなんなのか、自分もよく分かっていなかったので、明確な答えは出していません。テストとその結果からの考察だけです。

その後、数百丁の流速チューンを施工し、その経験から得たことで、「流速チューンとはなんなのか?」ということの答えをこれから書いていきます。



まず、最初に定義しておきます。

「流速効果」
・重量弾でも確実にホップが効く
・スーッと伸びる(ように見える)不思議な弾道になる
・ホップをかけると初速が上がる特性になる


「流速チューン」
・流速効果を得るためのチューニング手法



答えを先に書いておくと、「流速チューンとはホップシステム本来の効果を重量弾でも発揮させるためのもの」というのが自分の考えです

逆になぜ、重量弾ではホップシステムの本来の効果が発揮できないかと言えば、その答えは、バレル内でBB弾の回転にかかる抵抗が大きな要因であると考えています。

バレル内の抵抗が大きいと、ホップの回転が減衰し、本来の揚力効果の軌道を描くことが出来ません。そして、このバレル内の抵抗はバレル内にBB弾が滞在している時間が影響してきます。バレル内にBB弾が滞在する時間が長くなれば、バレル内でBB弾が回転する回数が増えて、BB弾がバレルに接触する抵抗が増えるので、ホップによるBB弾の回転が減衰するのです。1J規制の日本では初速が低いので、海外フルパワーに比べてバレル内のBB弾の滞在時間が長く、抵抗がただでさえ大きいのです。

例えば、Real Sword ドラグノフSVDの日本仕様は、0.25gではホップがかかりきりません。その詳細な理論は、「RSドラとホップとバレル長と流速チューン」に書いてありますが、要は0.2gで日本の初速規制値に合わせて98m/sec以下にしていると、0.25gだとさらに初速が落ちるのでBB弾のバレル内の滞在時間が伸びてバレル内での抵抗が増えるからです。そしてRS SVDのようにバレル長が長いうえにタイトバレルだと、バレル内の抵抗が大きいのでホップの回転がかなり減衰してしまうのです。

そして、重量弾でホップが効かないからといってより強くホップをかけると、さらに初速が落ちてしまいバレル内の滞在時間が伸びるので、結局、ホップの回転は減衰します。そして、「あれ? まだホップが効かないな」ってホップをどんどん強くしていくと、しまいにはホップの押しが強くなりすぎて詰まってしまいます。だから、当店ではRS SVDには0.2gを使うか、流速チューンの施工を推奨しています。





ルーズバレルとバレルカットについて


そこで流速チューンです。流速チューンはバレル内の抵抗を低減することで、0.25gや0.28gの重量弾でもホップシステムの効果を発揮し、遠距離まで飛ばすことが出来るのです。

当店には2種類の流速チューンがあります。

爆音☆流速チューン」 は、バレルを10cm~15cm程度と極端に短くカットして、流速効果を得ます。

真☆流速チューン」は、ルーズバレル6.10(&BATON airsoft 流速パーツ群フルセット)を使って、流速効果を得ます。


ルーズバレルだと初速が下がります。それはなぜか? BB弾とバレルの隙間からエアが漏れるからであり、逆にタイトバレルだと気密が上がるので初速が上がります。
※東京マルイ電動ガンインナーバレルの標準が内径6.08mmなので、内径がそれ以上をルーズバレル(BATON airsoftでは6.10mm)、それ以下をタイトバレル(精密バレルは6.03mmが多いですね)とします。


しかし、この「エアが漏れる」ことによって、BB弾がエアに包まれ、バレルとの接触抵抗が低減し、ホップの回転を減衰させることなく発射できるのです。

バレルを思い切り短くすることでも同じ効果が出ていると思われます。バレルが短くなればBB弾がバレル内に滞在する時間が短くなるので、バレルとの接触抵抗が低減します。





ノズルインナーパイプヘビーウェイトピストンヘッドについて

ただし、ルーズバレルを使うだけや、単純にバレルを短くしたりだけでは流速効果が弱いです。強いスプリングで大量の空気を一気に押し出すことで、よりBB弾がエアに包まれて流速効果が高まります。これはこれまで流速チューンを数百丁作ってきた、Gunsmithバトンの経験則から来ています。

より強いスプリングを使い、さらにノズルインナーパイプを使うことで圧縮率を高めます。ただ、ノズルインナーパイプを使うとかなり強力なスプリングを使わないとエアを押し出しきれません(初速が上がりません)。そこでヘビーウェイトピストンヘッドを使うことで、ピストン総重量を重くしてエアを押し出すことが効果的なんです。







また、流速チューン比較テスト その3「炸裂音」で書いたように、流速チューンではエアを一気に押し出すことで初速決定のメカニズムが変わります。加速ではなく爆発というイメージです。

流速チューンではホップシステムが重要な役割を果たしてきます。流速チューンはホップをかけて発射時の抵抗を増すことにより、爆発力を高め初速が上がります。

RS SVDのホップで書いたように、ノーマルチューンではホップをかけると抵抗になって初速は下がります。だから、0.25gで必要なホップの回転数を得ようとすると、バレルによっては初速が下がることで、かえってホップの回転は減衰し、飛距離がダウンすることもあります。

ところが、流速チューンではホップをかけると初速が上がります。だから、重量弾でも十分なホップ回転と初速を両立出来るのです。

そして、面ホップパッキンはBB弾とホップが触れている距離が長く、強力な回転を生み出すので流速チューンに適しています。

ただ、流速チューンにおいて、面ホップアップパッキンは必要条件ではありません。より適しているということです

また、逆に面ホップアップパッキンは抵抗が大きいのでノーマルチューンに使うと初速が落ちやすく、適正ホップの範囲もシビアになるのでオススメしません。日本の初速規制値でのホップアップパッキンは、「ノーマルチューンなら、東京マルイ純正パッキンがパッキンの柔らかさ・クッションの柔らかさで最適である」と自分は考えています。






なぜ、流速チューンがもてはやされるのか?


流速チューンのなにがいいのか? それは重量弾であっても、きちんとホップをかけて遠くまで飛ばすことが出来るということです。

重量弾ならば、長距離でもエネルギーの低減が少ないわけです。だから、重量弾は風などの外乱に強く長距離でも弾道が安定していますし、ブッシュも抜きやすいです。そして長距離でもエネルギーが残っているということで一番有利なポイントは、当たっときに痛いので、相手に気づいてもらいやすいのです。

なので、重量弾は0.2gに比べて長距離でヒットを取りやすく、だから「重量弾を使う流速チューンは長距離でよく当たる!凄い!」ってなるのです。

でも、流速チューンが凄いのではなくて、重量弾が有利なのです。流速チューンはその有利な重量弾をノーマルチューンより遠くまで飛ばすことが出来る、ということです。


そして、流速チューンが絶対というわけではありません。ノーマルチューンで0.2gだって、同じ距離まで届けば当てることは出来るわけです。





また、流速チューンの「スーっと伸びる(ように見える)不思議な弾道」ですが、なぜそうなるのかは自分もよく分かってません。ただ、「普段、ノーマルチューンで0.25gを使っているとホップの効果が発揮しきれていないけど、そのノーマルチューンでの0.25gの弾道が自分の常識になっていて、ホップシステム本来の効果を発揮できる流速チューンだと、自分の常識が覆り不思議に見えるだけ… 要するにただの目の錯覚では」って思っています。

0.25gや0.28gの重量弾だと、ホップ効果で弾道が上がり始めるポイントが0.2gより遠くになるのは当然なんです。
試しに0.12gを撃ってみると分かります。0.12gでちょっとホップを強めにかけると、0.2gより遥か手前でホップ効果が発揮されて弾道が上がり始め、空を撃つことになりますw だから、重量弾ならその逆で、ホップ効果があらわれて弾道が上がり始めるポイントが0.2gのときより遠方になるのは普通のことなんです。


要は、『流速チューンだから』弾道が上がり始めるポイントが遠くになるのではなく、『重量弾を使うから』弾道が上がりはじめるポイントが遠くになる。

そして、ノーマルチューンでは0.2gで日本の1J規制に合わせると重量弾を使った時に初速は落ちていて飛距離は伸びない。でも、流速チューンなら、重量弾であっても初速とホップ効果を両立出来るので、弾道が上がり始めるポイントが遠くになりつつ飛距離も伸びる、ということです。



以上、いまの段階で分かっていることでの流速チューンの考察でした。ちなみに海外フルパワーなら流速チューンは必要ないと思います。0.25gであっても、海外の初速なら、バレル内でホップの回転が減衰する前にバレルを飛び出すことが出来るだろうと思うからです(まあ、日本ではフルパワーの初速でテスト出来ないので、その真偽は確認してませんがw)。

流速チューンは日本の初速規制が生んだ奇形チューンであり、グローバルスタンダードにはならないと思います。
パワーを上げてもいいなら、長いタイトバレルを使って、ノズルを絞ったりしないで、シリンダーで圧縮した空気を流速チューンのようにあえて漏らすようなことをせず、そのまますべてBB弾の加速に使えばOK。ひたすら初速を上げて飛距離を伸ばせばいいだけなので face03







  

流速チューン比較テスト その4「弾道」

流速チューン最大の謎は
「スーっと伸びる(ように見える)不思議な弾道」です。

でも、これは計測のしようがないし(写真にも写せない、動画でも見えっこない)、テスト方法も思いつかないので、見たまんましか伝えられません…

流速チューンの弾道や飛距離に付いては、いろんな人がいろんなことを書いてますが、自分が納得出来る理論がなくて、どれも後付の想像でしかないので(証明できないので)、自分は理論付けはしません。だから、いつものチャライ口調でいきますねwww



ノーマルチューンと流速チューンの弾道を見た感じでイメージイラストを書くとこんなんです





ノーマルの「フワッ」と浮き上がるホップでなくて、流速チューンはスーっと伸びる感じ。イラストのようにBB弾が浮き上がるポイントが遠くになるように見えるんです。


この弾道のイメージイラストを見ると「じゃあ、流速チューンのほうが飛ぶじゃん!」って思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください… その1「初速変化」で書いたように、流速チューンは初速が上がる特性があるので、自分のレシピではノンホップ80m/sec以下ぐらい、適正ホップ時80m/sec前後でしか造れません…

ってことで、自分が造る初速90m/sec前後、適正ホップで80m/sec代後半のノーマルチューンと、流速チューンは実際に使うとたいして飛距離は変わりません ┐(´ー`)┌


なので、チューニングはお好み次第です








ここまで流速チューンのことをつらつら書いてきたのは、爆音☆ハイサイスナイパーを造って、自分なりの流速チューンのレシピが固まって人様に売れるレベルになったので、流速チューンをはじめることにしたからでーす ( ̄ー ̄)vニヤリッ


流速チューン 5980円(ポイント使用後:5681円)

流速&ハイサイチューン 1万2800円(ポイント使用後:1万2160円)



これだけ詳しく書いておけば、流速チューンが決して「魔法のチューン」ではなくて、チューニング手法のひとつであり、夢のようなことが出来るわけではないってことをわかっていただけると思ってです。爆音は楽しいっすよ!(オレはねw)

ま、実際に施工するのはBAJAから帰った12月になるので、気の長い方はどぞwww
  

流速チューン比較テスト その3「炸裂音」

これまで、その1「初速変化」その2「集弾性」と解説してきたが、今回の「炸裂音」については、その現象を動画の音声で確認できても、そこから導く理論はあくまでも類推に過ぎず、これが正しいとは証明できない。「こういう考え方もあるんだ」ぐらいに思っていただければ幸いである。









流速チューンを行うと、独特の炸裂音が発生するのはこの動画の通り




なぜ、炸裂音が発生するのか?

なぜ、BB弾を実射しているときと空撃ちで音が明らかに変わるのか?



この2つの疑問点から、流速チューンのメカニズムを考察してみると


ノーマルチューンは




このように、ピストンの前進に伴い、シリンダーから空気が排出されて徐々にバレル内で加速していく。だからバレル長とシリンダー容量によって初速が決定される



一方、流速チューンは





「極端に短いバレルに過大な容量の空気を強力なスプリングで一気に押しこむ」というものであるので、爆発的な圧縮空気が一気にBB弾を弾き飛ばしていると予想される。


炸裂音というのは爆発によって起こり、爆発というのは火薬やガソリン(混合気)でも圧縮することによる急激な燃焼である。例えば爆竹をバラして火薬だけで燃やしても「パン!」という音はたてず「シュボ」と燃えるだけ、ガソリンをそのまま燃やしてもエンジンのようなエキゾーストノートは起こらない。

これは火薬(外側の筒で)、ガソリン(ピストンの動きにより)ともに圧縮されることで急激な燃焼(爆発)が起こり、炸裂音が発生しているのである。


流速チューンは空打ちでは炸裂音が発生しない、BB弾でフタをすることによって「圧縮→BB弾がバレルから出た後の開放」により炸裂音が発生する。圧縮が強いほど(ホップが強いほど)爆発力は強まるので初速も上がるのだと予想される。


このように、ノーマルチューンと流速チューンでは、初速の決定方法(BB弾の加速方法)が違うということが、独特な炸裂音から推測することが出来る。





  

流速チューン比較テスト その2「集弾性」

今回は流速チューンノーマルチューンの集弾性の違いをテストします。

■テスト:トリガートークシューティングレンジ インドア8m
■テスト方法:テーブルに押し付けて、セミオートで10連射
■使用BB弾:0.2g/東京マルイ ベアリング研磨0.2g(着弾点に赤いシール)、0.25g/G&G バイオ0.25g(着弾点に青いシール)。各BB弾の適正ホップで測定




爆音☆ハイサイスナイパー












SR-16 Diablo














これはもう一目瞭然で
流速チューンは0.25gを使うと集弾性が上がる

(ノーマルチューンのSR-16 Diabloは、0.2gと0.25で大差はない)


これは、流速チューンはある程度ホップを掛けないと弾道が安定しないからであり「流速チューンにとっての適正ホップに合わせると、0.2gでは鬼ホップになるので、0.25gの重さが必要になる」と言い換えてもいい。



※今回は流速チューンのほうがノーマルチューンより集弾性が良かったが、これは同じ銃をノーマルチューン←→流速チューンに作り替えたテストではなく、またSR-16 Diabloはダットサイト、爆音☆ハイサイスナイパーはスコープだったという違いもあるので、必ずしも流速チューンのほうが集弾性が良いとは言い切れない。あくまでもBB弾の重さによる集弾性の違いを比較したテストである

  

流速チューン比較テスト その1「初速変化」

GunsmithバトンDEMOカスタムで製作した、爆音☆ハイサイスナイパー(流速チューン)とSR-16 Diablo(ノーマルチューン)の比較テストにより、流速チューンの特性を説明したいと思います。






●初速
東京マルイ ベアリング研磨0.2g、G&G バイオBB0.25g
クローニー弾速計使用



爆音☆ハイサイスナイパー(流速チューン)

0.2g

ノンホップ 78m/sec(0.608J)

適正ホップ 82m/sec(0.672J)

最強ホップ 93m/sec(0.865J


0.25g

ノンホップ 74m/sec(0.685J)

適正ホップ 80m/sec(0.8J)

最強ホップ 81m/sec(0.82J)




SR-16 Diablo(ノーマルチューン)


0.2g

ノンホップ 89m/sec(0.792J

適正ホップ 86m/sec(0.74J)

最強ホップ 74m/sec(0.548J)


0.25g

ノンホップ 75m/sec(0.703J)

適正ホップ 70m/sec(0.613J)

最強ホップ 63m/sec(0.496J)




このように流速チューンでは、ホップをかける(=抵抗が増える)ほど初速がアップする。


そして注目は、0.2gと0.25gの適正ホップ時の数値。ジュール計算すると爆音☆ハイサイスナイパーでは、

0.2g適正ホップ時:0.672J  0.25g適正ホップ時:0.8J

となり、エネルギー量が大きいので、当然、0.25gのほうが飛ぶと予想される。



一方、ノーマルチューンのSR-16 Diabloでは

0.2g適正ホップ時:0.74J  0.25g適正ホップ時:0.613J

であり、0.2g適正ホップ時のほうがエネルギー量が大きい。



流速チューンはこのように、0.2gノンホップ時:78m/sec(0.608J)と、一見、低く造ってあるように見えても、0.2g最強ホップ時初速93m/sec(最高ジュール時 0.865J)となり、ノンホップ時初速89m/sec(最高ジュール時 0.792J)で造ってあるSR-16 Diabloよりも高いエネルギーを持つことになるので、初速設定には注意が必要である。


※流速チューンは、すべてのチューンで、爆音☆ハイサイスナイパーのように、ノンホップ→最強ホップで初速が15m/secも上がるわけでなく、そのチューニングの仕様によって初速の上がり方は異なります。
  



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